オランダと“初優勝”を賭けて戦ったスペイン。ようやく、手が届きました。W杯優勝です!「ようやく」とか書いてますけど、実はスペインファン歴はそんなに長くありません。ドイツW杯で現地観戦する事が決まってから、ようやくスペイン代表の試合を本腰入れて観るようになった程度です。なので、5年ぐらいかな?5年前のスペイン代表は、「上手くて脆い」代表でした。全ての選手が高い技術を持つものの、急にコロリと負けてしまう、そんなチームでした。それが、EURO2008の優勝を経て「今度こそ優勝」と言われて、本当に優勝する事が出来た。5年だけ切り取っても、非常に強くなったと思います。今回のオランダのように、身体能力全開で来る相手は苦手なはず。実際、この決勝でもロッベンに「あわや」というシーンを2回作られました。エリアの投入も怖かった。ああいう、個人能力でゴリゴリ来る様な選手は嫌だったはずなのに。それでも勝って、優勝した。スペインは、本当の「強豪国」になったんだと思います。オランダは前線からのプレスでスペインを封じようとしてました。そして、それは見事に成功していたと思います。ドイツ戦と違い、全く思うようにパスが繋げないスペイン。そしてオランダは、スペインのディフェンスラインによるパス回しを徹底的に狙ってました。そして前線からのプレスが交わされても、次のラインで今度はシャビとイニエスタを徹底的にチェック。「これ90分間持つのかな?」と思いましたがとんでもない。120分やり切ってました。オランダの底力を見た気がします。ただ、若干荒すぎました。(どちらも、ですが)その事で結局主審に目を付けられてしまい、しまいには実際はスペインの選手のダイブであるように見えるプレーも、反則として取られちゃってましたね。リスタートが直接得点に結び付かなかったとはいえ、このファールの取られ具合がジワジワとオランダを苦しめていたようにも感じました。何よりロッベンが決めてれば。。。ですかね。スペインとしては、本当に危ない試合だったと思います。それでも無失点に抑えての優勝ですから、素晴らしい。大会MVPはフォルランですけど、個人的にはカシージャスだったかと。あんなに落ち着いてるGK、なかなかいないですよね。パラグアイ戦ではPKストップしてるし、ドイツ戦でもオランダ戦でもナイスセーブ連発でした。デルボスケ監督の采配も、良かったんじゃないかと思います。気負いすぎてやや空回り気味のペドロを下げて、ヘスス・ナバスでジオサイド狙い。それによって右サイドがワイドになって、中央にややスペースが出来てました。で、イエロー貰ってて疲れ気味のアロンソに代えてセスク投入。これで再び「小気味良いショートパス」を増やして、オランダの中盤を疲弊させる事に成功。トーレスの投入も、恐らくは前掛かりになりつつあるオランダの裏を、トーレスのスピードによって狙おうという事だったかと思います。(相変わらずトーレスは微妙でしたが)あ、そういえばトーレス、最後痛めた足は大丈夫だったんでしょうか。何にせよ、交代選手が全て絡んで最後にイニエスタがズドンっ!と決めたんですから采配は当たったって事で良いんじゃないかと。こうして、アフリカ大陸初のW杯はスペインの初優勝となりました。ヨーロッパのチームが欧州以外の大陸で優勝するのが初なら、MVPが4位のチームから出るのも初。ついでに、初戦で負けたチームが優勝するのも初。まさに初物尽くしのW杯でした。今大会では審判の問題も含め、色々と物議を醸した出来事もありましたが、終わってみたら何だかやっぱり寂しいものです。決して全試合、技術レベルが高い訳じゃないのですが、やはり国同士の対決というのは、技術じゃない「何か」によって観る物を引き付けるような気がします。4年後、日本代表の試合も含めて楽しみに待ちましょう。
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